秋刀魚の旬はいつと聞かれれば
「秋」と答えることができます。

では鰻の旬と聞かれたら、
みなさんはなんと答えるでしょうか?
正解は「秋から冬にかけて」だそうです。

そういうと、
「土用の丑の日に鰻を食べるのだから、
鰻の旬は夏じゃいの?」
と思う方がいらっしゃると思います。


実はそれも間違いではありません。

というのも、土用の丑の日に食べられる鰻の
ほとんどは養殖物で、養殖物の旬は夏です。

先ほど正解と書いた「秋から冬にかけて」というのは
いまでは貴重になりましたが天然鰻の旬のことです。


養殖物が全盛の時代ですから、
本当の旬は分かりにくいですよねぇ。



野菜や果物、花の旬はあってないようなもの
先日ある方と、食べ物や花の旬について話しました。

そのとき話題に上がったのは、

大根
みかん
キャベツ
カーネーション


大根は分かりやすいのではないでしょうか。
いわゆる大根は秋から冬が旬です。


次にみかん。

昔はこたつに入りながら食べるのが定番だったので、
冬が旬なのですが、夏みかんは夏に食べますし、
ハウス栽培されているみかんは年中食べられます。


次はキャベツ。

キャベツは高原で作られている夏キャベツもあれば、
春キャベツや冬キャベツもあるようですね。



最後はカーネーション。

カーネーションといえば母の日(5月第2土曜)なので、
5月旬と思いきや、実は10月から出荷始まっているそうです。

ですからどちらかと、母の日はカーネーションにとって旬ではなく、
シーズン終了くらいなんですよね。

しかも夏場でも花屋に行けばカーネーションを
買い求めることはできますもんねぇ。


野菜や果物でいえば、旬じゃなくても
そこそこおいしいですし。



いまや野菜や果物、花には旬はない、
そう言い切れるほど何でも欲しいときに
手に入る時代になりました。



でも昔はそうじゃなかったですよね。

野菜や果物はシーズンを迎えないと
食卓に並ぶことはありませんでした。


また花屋のショーウィンドウを覗くと、
いまの季節が分かりました。



野菜や果物、花によって季節を知ることが
できていました。



それはすごく便利なのですが、
その代償もまた大きいのです。



たとえば人は口にする食材や目にする花を通じて
季節を感じてきました。


食材や花で「季節」という概念がなくなるということは、
人から季節感を奪うひとつの要因になるのです。




同じようなことが高齢者の施設では起こっています。

たとえば以前働いていた施設である女性の高齢者が
こんなことを話していました。

高齢者:「いまは何月ですか?」

私:「いまは4月ですよ。」

高齢者:「あぁ、もう春なんですかぁ。」

私:「そうですよ。」

高齢者:「ここにいると寒いのか暑いのかも分かりません。」


施設の中ですごしやすい室温にしていますから、
一年中23℃前後に設定されています。

快適さと引き換えに、入所者の季節感を奪います。


また施設に入所していると、
衣替えの概念がなくなるんですよねぇ。


春になれば冬物をしまって春物の服を出す、
高齢者が何十年と行ってきたこんな当たり前の用事さえ、
入所生活を続けると失ってしまいます。



介護施設に入ると元気になると考えている方も多いですが、
むしろそれは間違いであることが多いです。


施設では高齢者が当たり前のように行ってきた活動を奪います。
それはその人らしさを奪うことにもつながりかねません。


どれだけ施設のスタッフがクリスマスや正月の行事を行って
季節感を演出しても、高齢者が歩んできた生活全てを
思い出させることはできません。


そんな環境であれば認知症が進む可能性は高いと
言わざるを得ないでしょう。


もちろん全ての施設がそうだとはいいませんし、
全ての人がそうなるとも限りません。

がんばっておられる施設があることも理解しているつもりです。


ただ環境で人が変わることは当然のように起こりますし、
医療や介護に携わってない人にも知っておいて欲しいので
本日の記事を書きました。
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