介護施設で入所者さんが抱えるリスクのひとつに転倒があります。

転倒は昔からたくさんの専門家が知恵を絞ってきましたが、
なくなってはいませんし、今後もゼロにはなりそうにありません。
介護施設での転倒防止策は?身体拘束とリスク管理の間で


転倒を防止しようと思えば、入所者さんに
ずっと付きっきりになればいいです。

ただ一番簡単な方法が、施設のスタッフを考えたとき、
絶対できない方法でもあります。


じゃあベッドから起き上がって転倒しないようにする、
いわゆる身体拘束が頭をよぎりますが、
現在(おそらく将来に渡っても)介護施設での
身体拘束は基本的には認められていません。


ちなみに病院では治療上どうしても必要な場合、
(例:点滴をすぐに抜いてしまうなど)
ご家族の同意の元に行われることもあります。

私が理学療法士になった10数年前はベッドを囲むように
4点柵をしていましたし、柵同士を固定したりもしていました。
(良いことだとは思っていませんよ。ただまだ許される時代でした)


現在は「柵で囲い込んで起きられないようにする」なんてできません。


身体拘束についてはたくさんの決まりがあり、
患者さんや入所者さんの行動を抑制することはしてはいけません。

でも転倒するようなことがあってはいけないので、
何らかの対策を立てないといけません。


実際に現場で接するスタッフには、
どうしたらいいのか悩んでいる人が多いのも事実です。


以前働いていた介護施設のスタッフが、
身体拘束をなくす取り組みと転倒防止の取り組みは
矛盾していると嘆いていました。


家族やケアマネの想いと、スタッフの勤務状況が食い違い過ぎて、
ストレスを感じて疲弊しているようです。


家族もケアマネも、そして現場のスタッフも、
想いは違わないんですよね。

「入所者している方が安心して過ごして欲しい」
ただそれだけなんです。


でも転倒というリスクひとつとっても、
スタッフの疲弊を招いてしまいます。


この問題は人ごとではなく、いつか自分の身にも振りかかる
すべての人が考えるべき問題です。


「身体を拘束して転倒しないようにしろ!」と
言っているわけではありません。

ただサービスを提供する側としては、
転倒を完全に防ぐことはできないですし、
そのあたりのリスクもしっかり理解した上で
入所してもらうようにする必要があると最近感じています。
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