日本透析医学会がまとめた提言案がインターネット上で
話題をよんでいます。
人工透析の治療が必要な方は国内に約30万人いらっしゃるそうです。

今回まとめられた提言案では、自分で医師を決めることができる
患者さんが透析を拒否した場合、担当医や医療関係者が話し合って
家族に伝え、透析の見合わせを決めるというものでした。

延命中止の話でいうと、先日麻生財務大臣が高齢者などの
終末期医療に関し「いいかげん死にたいと思っても
『生きられますから』なんて生かされたんじゃ、かなわない。
しかも政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うと
ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」
と述べて物議をかもしだしていました。

また人工呼吸器や胃ろうなどを栄養補給などの中止の手順を
まとめた日本救急医学会でも、本人の意思に反した延命を
減らす方向の低減がだされたところでした。


これらのニュースをみて、私が経験した場面を
2つ思い出しました。


1つは以前担当されていた患者さんの旦那さんなのですが、
重い腎臓病に悩まされた末に、人工透析を医師に提案されました。

ご本人は「医療費も高騰している中、そこまでして生きて
迷惑をかけたくない」と人工透析を拒否して尊厳死を選びました。

ご家族もご本人に望みを尊重したいと、自宅での死を望み、
その数週間後に亡くなられました。


本人の望みを尊重したご家族の気持ちと、最後まで周囲に
迷惑をかけたくないという思いを貫いた芯の強さに
本当に感動しました。


長く生きることだけが幸せというわけではく、
そこにその方の望みが加味されるべきだと
そのとき強く思いました。


もう1つはリハビリにもこの問題は言えるのではないか
ということです。

理学療法士として患者さんを治療していると、いろいろな
患者さんに出会います。

昔、担当した高齢者には日常的な暴言、暴力の末、
つばをかけられたこともありました。


正直、リハビリうんぬんというレベルではない状態です。
もちろん私の力不足もありますが、誰でも無理だったと思います。


そのような患者さんに無理にリハビリを続けていくことは
必要なのでしょうか。


リハビリを強要させる権利なんか誰にもないわけですし、
私がよかれと思うことも、その方やご家族にとっては
受け入れられないこともあるのです。

理学療法士になったころの話ですが、たまにしかお見舞いに
来られない患者さんのご家族に

「一人で見守りで歩けるようになったんです」

と言ったら、

「家に帰って一人で歩かれたら困るんです。
 そこまでしてもらわなくてよかったのに」

と言われたことがあります。いまから考えたらもっと
ご家族と話してゴールをしっかり決めておけば良かったと
反省しますが、そのときはとくかく良くなってもらうことが
いいことだと思ってましたから。


リハビリを完全に拒否してしまう患者さんや利用者さんを
リハビリの対象から外すことがあってもいいと思いますし、
そこには延命治療と同じく、本人の思いを重視すべきだと
考えます。



もちろん簡単に行くことばかりではないと思いますが、
そこにその方の思いや希望が尊重されるべきだと思います。

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